踏み躙られたので Prologue Sunny MorningCall

GMとPLの設定すり合わせや日程調整も終わり、とうとうキャンペーンの初日となった。参加者達はTRPGツールの某チャットツールに集まったが……

リクガメ:……ひとり足りんな?

ショボ猫:チ;ロルくん……

もじゃQ:急な用事か寝落ちか……ま、今回は各キャラの前日譚と導入をやるつもりなんで、やりながら待つ形で進行するつもりです!

リクガメ:はい! まぁ彼仕事がなぁ……

ショボ猫:朝5時勤務はつらいのよ……

もじゃQ:ま、予備日もきちんと取ってるしいけるやろ! いない間も問題ない範囲で進めるでー。

このコミュニティのセッションは、数日時間を取ってのんびり行うことが多い。そのため、このようなイレギュラー対応が出来るように予備日をついでに設定する事が非常に多い。それもあって、比較的予定には寛容かつ相互にフォローもする体制となっている。体調不良などはさっさと寝かしつけられたりもする。

もじゃQ→GM:ってわけでカメさんのサニーから導入いくでー! あとついでに軽くキャラ紹介しといて!

リクガメ→サニー:あいよー! サニーは鶏の被り物をした男性っぽい見た目をしたアンドロイドです! 元々は【スヴァルトアルフ】の地下闘技場【ヘイズルーン】に卸す予定の機械闘士だったんだけど、対外利用も出来そうだなって改造した個体になります!

GM:だからサニーは愛称よね。作中でワンチャン出る可能性がないわけではないから、正式名称も言っといて。

サニー:ほい、【ヘイズルーン登用機械闘士2号型”東雲式”改良6号機】です。

ショボ猫:その長いのが即出てくるのがやべーよ。

サニー:直前にキャラシ見返してるから流石にね。
データとしては〈器用〉と〈敏捷〉高めのノーマル。能力は無いから殴ったり蹴ったりしか出来ないけど、殴ったり蹴ったりはパーティの中で一番得意だよ。

ショボ猫:強いんだよなぁ……そういや今回の【探索武装】は何にしたんだっけ。

サニー:【パワードスーツ】だね、〈力技〉のやつ。今後は内容見て付け替えたりするつもりかな。

ショボ猫:オッケーオッケー、頼りにしてます!

GM:うーっし!ではそんなサニーちゃんの前日譚から!

サニー:よろしゃーす!

GM:――人には、誰しも譲れない領分というものがある。
【それ】は人によって異なるから、時にはそれがぶつかり合い、争いが起こることもある。人を模した【彼】にも、当然【それ】があって然るべきだろう。
……これは、そんな人でなく、しかし人であるように創られた【彼】が我を通そうとする物語、その序章だ。

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―――

GM:……サニー、君は今走っている。何かを追っているのかもしれないし、何かから逃げているのかもしれない……否、きっとそれは両方だったのだろう。
何故なら君は、【あらゆる場所から突如伸びてくる無数の真っ赤な腕を避けながら、目の前の赤く光る腕を持った少年に迫っているところ】だったのだから。

???(NPC):「えーいもう! 止まれって言ってんだよおっさん! どうせまた誰かに酷いことしようとしてんだろ!? そんなの俺と俺の力、【真っ赤な腕(ハンドレッド)】が絶対に許さねえぞ!!!」

GM:そう叫ぶ気の強そうな少年の真っすぐな瞳は、君を捉えて離さない。無数の腕もまた、恐るべき速さで君を捉え、組み伏せようとしている。
場所は路地裏、壁や地面、果ては空中から突然現れる質量を持ったエネルギー状の腕。間違いなく目の前の敵は超越者、そのさらに上をいく怪物だ。
……君はそんな怪物に、狙われている。

サニー:ひえぇ……

GM:ちなみに掴まれるととっても熱いです。鉄とか溶けます!

ショボ猫:ホットスタートってレベルじゃねーぞ!

サニー:「止まる? 酷いこと? そんなのお前には関係無いだろうがクソガキ! 」当たったらしぬぅ! 全力で相手に捉えられないように回避しながら、左手で残った最後の投げナイフを投擲します。

???(NPC):「いっ……!?」

GM:お見事。その投擲は少年の不意を突いたらしい。君の一撃は彼の額に突き刺さり……

???(NPC):「……てえなぁおっさん!俺じゃなったら死んでたぞぉ!?」

GM:そのまますぐに、彼の輝いていない左腕で払われてしまう。額にはわずかな傷が残っているが、致命の一撃には至っていないようだ。

サニー:「テメェのやってる事と変わんねーだろうが! 当たれば死ぬ能力広げてんだろ!」
今の攻撃速度と推定着弾進度その他を計算、記録しておきます。

???(NPC):「俺のは熱さとか力とかいろいろ調節できるからいいの! あのなぁおっさん! せっかくそんな強え力持ってんのに、どうしてその力を誰かを傷つける為に使おうとするんだよ!? もっとこう、人の為に何かしようって気にはなれねえのかよ!? なあ!?」

GM:東洋風の道着を着た赤い長髪の少年は怒っている。自らが傷つけられたことではなく、君のしていること……即ち殺人への怒りだ。
それは、ある意味では君を想っての怒りと捉えることが出来るかもしれない。……サニー、君にそれが出来るかはわからないが。

サニー:「知るか! それこそお前に関係無いだろ!? (計算及び記録完了。対峙者の能力を回避し目標の殺害を達成出来る可能性、現状1%未満と断定。制作者に任務失敗を伝達)」
なんかロクでもないものに粘着されてんな……これ無理ですねって判断します。とりあえずダディに別口の殺し屋送った方がいいわって送信します。

GM:それぐらいは全然出来ていいよ。

???(NPC):「ああ、関係ないね! もっというとおっさんが殺してきた人たちともきっと何の関係もねえ! ……それがどうしたってんだ! いいか、殺されていい人なんてこの世には一人だっていねえ! おっさん含めてな! だから、俺はおっさんを止める! お節介だって言われようとウザがられようと、俺は自分を曲げねえ! 自分の想いを曲げねえ! これが俺の生き方だ!」

サニー:「…………」

GM:彼の台詞に呼応するかのように、君を捉えんとする腕の速度が、熱が増してくる。わかっていい。【今の君では、どうあがいてもこいつは殺せない】。

サニー:……え、これが今回僕のターゲットなんですか?

ショボ猫:ふえぇ……でもサニーじゃ殺せないってなるとこうなるのかぁ……

サニー:とりあえずここは逃げるしかないかなぁ……近場の瓦礫を蹴り上げて複数掴み、相手の視線上に投げ込みます。それで出来た死角を利用して引きます。逃げます。

???(NPC):「あ、コラ待てって!」
赤く光る右腕で素の瓦礫を薙ぎながら走って追いかけてくる赤髪の少年。その手に触れた瓦礫は、【その場でスープの様になって溶け落ちてしまった】。

ショボ猫:やばすぎぃ!

サニー:3ブロックは全力で逃げます。

GM:ちなみに足はくそ遅いので余裕で逃げられまーす!

ショボ猫:鈍足の〈能力精度〉特化型かなー。

サニー:間違いなく【ハイエクシード】だろうからなぁ……参考になるか。ルナちゃん上位互換は普通にあり得る。

ショボ猫:オエー……

【ハイエクシード】は基礎ポイント5p以上で作られているキャラクターのこと。PCの基礎ポイント4pと比較し、より強力な存在であるという表現である。ちなみにこのコミュニティではかなり前からPC相当のキャラクターのことを【エクシード】と呼称している。

???(NPC):「はぁ……はぁ……くっそー! いいかおっさーん! 俺は絶対、あんたを諦めねえからなー今度会ったときは覚えとけよー!!!」
悔しそうな少年の怒号が、君の背に刺さっていることだろう。

サニー:「…………」 訂正します。5ブロックは離れた位置まで逃げて安全を確保します。

GM:全力逃走ですねぇ。

サニー:後方及び全方位を確認します。人の気配の有無を見ます。

GM:少年はもう追ってきていないようだ。

サニー:【コンセ】10ぐらいの注意力で確認します。少年以外の気配は?

GM:何もない。戦争の爪痕残る旧市街地には、放棄された車両や粗大ごみ、スクラップが転がっているだけだ。

サニー:「…………」

サニーのPLは少し間を置いてから続けた。

サニー:「ああああああああああクソがクソがクソがクソがクソが! なんだ、なんだってんだ【これ】は! どういうことだ、どういうことだよ! チキンが、いや、俺はこんなこと知らないはずだろうが!
おかしいだろ、俺は【楽しい事】と【嬉しい事】以外知らねぇはずだろ! なんだこの【嬉しくも楽しくもないもの】はよぉ! なんだよ、なんだよこれはああ! チキンの中にこんなモンないぞ!なんだこれ、なんだこの感覚! 俺は知る事がないはずだろ! なんだこれは、なんd」
大声を上げ、膝をつき、頭を抱え暴れていましたが、瞬間的に完全に硬直します。
(感情機構に異常負荷を感知、破損回避のためセーフティモードに移行します)
そのまま音も立てずに立ち上がり、ラボまで帰ります。

ショボ猫:おぉー、荒れてますねぇ!

サニー:そらね? その後、ダディと簡素な報告をすませたのち、シミュレーターに籠もります。電源も有線にして、自分がクリア出来ない設定にした対能力戦等シミュレーターから出てきません。

GM:……かくして、君は此処ひと月の間に二度目のへまをやらかした。一度目と全く同じ場所でまったく同じ【路傍の石】に蹴躓いて。
さて、ここまでが君の物語の序章。君の物語が本筋に入り、二つの線と交わり出すのは数日後の休日、目覚めた君の瞼(レンズ)に刻まれた【とあるメッセージ】を目にしてからだ。

GM:はい、ということでサニー編終了でーす!

サニー:はぁい! ちなみにセーフティは数日後も継続してます!

GM:はーい!

ショボ猫:お疲れーい! いやーこれは熱いですねぇ!

サニー:おかしいんだよなぁ、サニーは感情排除して演じてるだけの個体のはずなんだけどなぁ。

ショボ猫:今のでそれは無理があるんだよなぁ……

サニー:おっかしいなぁ……

GM:よーし! 次はルナちゃんいくゾ~

ショボ猫:よろしくぅ!

サニー:がんばえー!

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