踏み躙られたので Prologue Luna 17時の失策

GM:じゃあ軽くキャラ紹介から!

ショボ猫→ルナ:はーい! ルナです、ストリートチルドレンのグループでお守……いや皆を守る武力装置やってます! 外界出身でユグドラシル移送後彷徨ってたとこを拾われた恩と縁です!

サニー:ヒュー! 外界では神様扱いされてたんだっけ?

ルナ:そうそう、クスリとか色々されてフワフワ神様やってたけど、色々あってユグドラシルの下層で落ち着いた感じ。

サニー:中も外もろくでもねぇ場所だよなぁ世界観的に。で、〈耐久〉も高めな高精度アタッカーとして仲間を守ってると。

ルナ:そそ、鈍足高威力の分かりやすいアタッカーやで、【トラップ攻撃】なんかも出来る!

サニー:間違いなく主砲。ルナの撃ちもらしをサニーが片付ける形がデフォになりそう。

ルナ:その代わり〈探索技能〉はゴミカスだから任せた!

サニー:サニーもフィジカル系しか強くないんだよなぁ……そこはもう一人に任せんべ。

GM:そんなルナちゃんの前日譚、いきまぁす!

ルナ:はい!

GM:――人には、誰しも踏み入られたくない領域がある。
【それ】は人によって異なるから、ときには気づかず踏み込んでしまい、図らずも傷つけてしまうこともある。いっとき神として祀られていた【彼女】にも、当然【それ】があって然るべきだろう。
……これは、そんな神であることを望まれ、しかし人として生きることになった【彼女】が己の矜持を守ろうとする物語、その序章だ。

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GM:……君は、歩いている。隣には君を慕う少女、エマがいる。彼女がどうしてもというので【2人だけで内緒のデート】をすることになった君たちは、エレベーターにほど近い、人工太陽の照明が落ち出した夕刻の街中を連れだって進んでいた。

エマ(NPC):「えっへへ……ルナお姉ちゃん、今日はありがとね!エマとっても楽しかった!」 

GM:溢れんばかりの笑顔を君に向けるエマ。そう、今日はエマの退院の日であった。病院から本来真っすぐに帰るはずが、寄り道を重ねているうちにこんな時間帯になってしまったのである。

ルナ:「よかった、私も楽しかったわ。今日は誘ってくれてありがとう、エマ」
元気そうなエマを見て顔を綻ばせます。

エマ(NPC):「病院のベッドは気持ちよかったけどずっと動けなくてつまんなくて……でも、ケガも治ったしこれからは今まで通りおしごとも出来るからね!よっし、明日からも頑張るぞ~!」

GM:そういって鼻息を荒くする彼女の右側の顔に、うっすらと火傷痕が残っているのが君の目に入るだろう……透き通るような白い肌に刻まれた忌まわしき苦痛の残滓。
医者曰く、この痕は残るかどうかはよくて半々程度、ということであった。

ルナ:「……」火傷痕を見て目を細めます。ココまで治ってよかったと見るか、ココまでしか治せなかったと見るか。

サニー:それでもかなり治った方よなぁ。後遺症も大きいものはなさそうだし。

ルナ:せやなぁ。とはいえ考えちゃうわ。

サニー:それはそう。

エマ(NPC):「うっふっふ~」 と、君の心情など知る由もないエマは笑顔で君に返してくる。

ルナ:くぅ〜!

エマ(NPC):「……あ、そうだ!ねえ、ルナお姉ちゃん、ちょっとだけ目を瞑って貰ってもいいかな? 10秒……いや、30秒……50秒! 50秒あれば多分だいじょぶ!」

ルナ:「……? 別にいいけど、どうかしたの?」

エマ(NPC):「うふふ、えっとね~ニコたちがねぇ……ううん、やっぱり内緒!」

GM:口を押えながらにやつく少女。

サニー:【ニコ】も絡んでんのかぁ、なんかサプライズやろなぁ。

【ニコ】はルナのコミュニティにおける主要人物。頭脳労働を主に担当している。

エマ(NPC):「ねね、お願い! ちょっとだけ! ちょっとだけお願ーい!」

ルナ:「……そう。わかったわ、50秒ね?」ふっと笑ってからエマに従って目を閉じます。
(……考えすぎても仕方ないわね。完全じゃなくてもエマは元気になった。きっと私たちのやったことは無駄じゃなかった。今日はいい日だった。明日もそうあるように、私は私のやれることをやるだけ……)

エマ(NPC):「やった! えっへへ~ナイショ♪ ナイショ♪ ナイショのデートでナイショのナイショ~♪」

GM:君が目を閉じたのを確認するや否や、少女は歌いながらどこかに駆け出してゆく……

ルナ:瞳を閉じてエマの歌を聴きながら物思いに耽ります。

GM:―――それから丁度50秒後のことだ。少女の悲鳴が一体に響き渡ったのは。

ルナ:目を開きます、エマは?

???(NPC):「――うーん、そうだね、この子にしようか。丁度こんな感じでワンポイント醜いとこが欲しかったんだ」

GM:君が目を開けると、そこにはいかにも高級そうなジャケットを羽織ったオールバックの男性と、彼の横に付き従う二人の【獣の如き耳の生えた白髪と黒髪のメイド】、そして、そのうち白髪に取り押さえられ、もがいているエマが居た。

エマ(NPC):「いやあ!ルナお、ルナお姉ちゃんたすけ……」

黒メイド(NPC):「うるさいにゃあ、シロ、ちょっと黙らせてよ」

シロ(NPC):「あいあーい」

ルナ:白髪の獣耳を圧縮した水の槍で貫こうとします。

GM:シロと呼ばれた少女は、エマの口に素早く布を詰めながら、己に向かってくる水の槍を紙一重で避ける。

ルナ:「……その子を離しなさい。従わなければ次は当てる」3人を睨みつけます

シロ(NPC):「……あいあーい。終わったよんクロ、へいパース」

GM:雑にエマをクロと呼ばれた少女に向かって投げるシロ。クロもそれを大した気配りもなく雑にとらえて道路に投げ捨てる。どうやら布には睡眠薬のようなものが仕込まれていたようで、地面に横たわるエマは微動だにしない。

ルナ:上空から水レーザーを3人に向けて放ちます。放った水とは別にルナの周囲に水の塊が現れます、攻撃態勢ですね。

クロ(NPC):「……にゃはは。怖いにゃあ【ルナ】ちんは」

GM:クロがニタニタと笑いながらポケットに手を突っ込むと、彼女たち三人の周囲に水色のバリアのようなものが発生し、君の水の槍を無効化してしまった。……あれは間違いなく【クリエイトノイザー】だ。

サニー:うわ、【無効化武装】、面倒くせぇ……

ルナ:【ノイザー】を確認した瞬間に懐から折りたたみナイフを取り出して構えます。
「アンタたちは誰? 何のつもりでその子に手を出した?」構えたまま問いかけます。

クロ(NPC):「にゃはは! それは止めといた方が良いよw 君の細腕でクロとシロに接近戦で勝つのはそーとーキビしいからw」

シロ(NPC):「へいへーい坊ちゃま坊ちゃまーこの子どうするー? この子もお人形にするのー?」

GM:明らかに君を舐め腐ったような態度をとる2人のメイドを制し、尊大そうな男性が一歩前に出て、君へ答える。

ルナ:(……1、2、3)ノイズの持続時間を数十秒と見積もって頭の中でカウントをします。

サニー:データ的にも【無効化武装】の効果は1ラウンドだし、まぁ当然の行動よなぁ。

ルナ:まぁね。そして男を睨みます。

???(NPC):「改めまして、お初にお目にかかります【神の子】ルナ。私は……そうだな、【楽園の狩人】とでも名乗っておきましょうか。君の噂はかねがね聞いているよ……ぷぷ、なんでも、能力にものを言わせてストリートチルドレンを従え、下層ではちょっとした厄介者集団になっているとか……ぷぷぷ! いやぁいかにも下層の無教養エクシードのやりそうなことだよなあ! プッハッハwww」

GM:最初は芝居がかった立ち居振る舞いをしていた男だが、ほどなく我慢できずに嗤い出してしまう。そんな男の様子を見て二人の従者も悪辣な笑みを浮かべている。

ルナ:「…………」ナイフの切っ先を3人に向けたまま周囲に他の人間の気配がないか探ります。

GM:周囲に気配はないです。【不自然なほどに】。

ルナ:ほーう。(14、15、16……他に人影はない、警戒すべきはこの3人だけ……)

クロ(NPC):「……ああ、ちなみに【クリエイトノイザー】の期限切れを狙ってるならあきらめた方が良いにゃ。ほーらw」
そういってクロが意地悪そうにエプロンドレスの裾を上げると、そこから大量の機械仕掛けの小箱が落ちてくる。……どうやら、すべて【無効化武装】のようだ。

ルナ:「……どうやら随分と私の力を買ってくれてるようね」

狩人(NPC):「プクク、覚えておくといいよルナちゃん、優秀な狩人は入念な準備を怠らないんだw」

シロ(NPC):「坊ちゃまは用心深い性格だからねー、狩りするエリアの周囲で活動している目ぼしい能力者はだいたいリストアップしてるんだー」

クロ(NPC):「……つーかさ、ルナちんちょっと天狗になり過ぎじゃにゃい? 坊ちゃんみたいな選ばれた人間が、下層のゴミであるあんたなんかを必要以上に気にかけるわけないじゃんw ジイシキカジョーって感じーw」
クロはまるで顔を洗う猫のような姿勢でしゃがみながら、にたにたと意地の悪い笑顔を向けてくる。

ルナ:「……勉強になったわ。それで何が狙い? 顔だけならその子よりも私のほうがいいわ。何故その子なの」黒いのは無視します。

クロ「いやーん無視されたにゃー! 慰めてシロぉー」シロ「よしよーしいいこいいこー」

狩人(NPC):「はは、狙いと言われてもね……気分が乗った狩人が、撃ちたい鳥を見つけたから撃った、ただそれだけさ……クロも言っていたけどね、本当に大した意味はないんだ。僕は名誉とか、面子とか、そういうものの為に狩りをしているわけじゃあない。ただ、気晴らしをしたいだけなんだ」

ルナ:「エマは鳥じゃないわ。」

狩人(NPC):「……でも、少なくとも僕らと同じ人じゃあないだろう? 金もなく地位もなく家もなく、道端で転がっているだけ。これを人と呼ぶように僕らの世界では教えられてないんだ」

GM:笑いながら語る狩人だが、その表情には先ほどの愉悦は感じられない。これは君を挑発しようと放っている言葉ではない、彼の心からの発言なのだと、君は理解してもいい。

ルナ:「…………」狩人の言葉に答えは返しません。

クロ(NPC):「……にゃにゃ! 坊ちゃま坊ちゃま、そろそろ時間が圧してまっせ、このままじゃ10時からの会食に遅刻しちゃうにゃ」

狩人(NPC):「おっと! いけないいけない。ついお喋りに時間を割き過ぎてしまったか。いやあありがとうルナ君。エクシードと対話する機会なんて上層でもそうはないからね、得難い経験だった」

シロ(NPC):「じゃ、獲物はシロが運んどくねー」

GM:というと、シロはエマを抱え、エレベーターに向かって歩き出していった。残った狩人はルナの足元に、【何か】を投げつけると、「それで何か美味しい物でも食べるといい」と言ってくるだろう。……そこにあったのは、束ねられたクレジット紙幣だ。

ルナ:クレジットに目もくれず、狩人を睨み続けて
「……殺すわ。地獄の果てまでだって追いかけてアンタを殺すわ」

狩人(NPC):「はは、わかるよ。下層民は面子を気にするらしいからね。そうでもいっておかないと僕(シモベ)たちにも示しがつかないんだろう? そら、君の迫力に報いようじゃないか」

GM:狩人はまったく恐れるそぶりも見せず、もう一束クレジット紙幣を投げてくる。

ルナ:「エマに、私の家族に指一本でも触れてみなさい。二度と生まれ直そうなんて思わないくらいアンタを惨たらしく殺してやるわ」一歩前に出てクレジットの束を踏みつけます。

狩人(NPC):「おお、怖い怖い。ただ……うーむ、すまないけど今はキャッシュの手持ちがなくてね、これ以上は勘弁してくれ。次からは小切手を持ってくることにしないとなぁ……」

クロ(NPC):「ひゅー!坊ちゃま太っ腹だにゃー!」

GM:まるで子供の相手をするように接する狩人とクロ。ほどなく彼らは踵を返し……

狩人(NPC):「ああ、そうそう。どうしても、僕を殺したいのであれば、僕らの世界にまで来るといい。そう、この世界樹唯一の楽園、【エデン特区】まで、ね……プクク、クハハ、ハーッハッハッハ!!!」

GM:――そのセリフを残し、理不尽にして悪辣な狩人は君の前から姿を消し、天上へと帰っていった。
……君は気づくだろう、3人がいた場所。正確には【エマが投げ捨てられていた場所】の付近に、潰れた箱があることに。

ルナ:箱を見に行きます。

GM:白い清潔そうな箱からは、同じく白く甘い匂いのする半液状の物体が漏れ出ている。白に交じった赤い汁は果物のそれだろうか。

ルナ:箱を開けて中身を確認します

GM:……そう、それは【ケーキ】だ。君たちストリートチルドレンではめったにお目にかかれないごちそう。何故か彼女はそれを持っていた。

【ルナお姉ちゃん、いつもありがとう&エマ退院おめでとう!これからもよろしくね! みんなより】

スマイルマークと共に添えられたメッセージは、チョコレートで出来たプレートに刻まれていた。

ルナ:膝を曲げてケーキのプレートの文字を読み上げます。そしてふっと笑って
「……ああ、殺すしかない」
そう呟いて立ち上がります 仲間は巻き込めない、手段を探さなくてはならない。

GM:……君が踏み躙った施し、そして、目の前の踏み躙られた想い。これらはきっと、君に決意を抱かせるのに十分な動機となったに違いない。

さて、ここまでが君の物語の序章。
君の物語が本筋に入り、二つの線と交わり出すのはこの後すぐ。立ち上がり、顔を上げた君の前に浮かんだ【とあるメッセージ】を目にしてからだ。

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GM:ということでルナ編終了!

ルナ:Foooo! ガッツリPC1導入きもちいいい!

サニー:いいですねぇ! キャンペーンのスタートプレイヤーがしっかりホットで火急の事案持ってくるのはテンション高まる!

ルナ:しかもよりによって【エデン】の奴らですか……分かりやすいですねぇ!

【エデン特区】は上層にあるノーマル特別区の通称。能力者は進入に大きな制限がかかり、居住者も大半が能力者差別をしている。

サニー:心置きなく仕事が出来ますねぇ! いや本当に最初に躊躇が生まれる可能性のない案件ってわかるのはやりやすいわ。

ルナ:ま、どんな相手だろうが躊躇なくやってもらうんですけどね!

サニー:はい! お前もやるんだぞ?

ルナ:当然だよなぁ?

GM:盛り上がってるとこ悪いけど、続きは明日にするでー。

サニー:あーい、ラーヴァの前日譚と全体導入?

GM:せやね、そのあとは流れで!

ルナ:ゆったり導入出来たし、結果的にはよかったかもしれんね。

GM:というわけで、待て次回!

Prologue Sunnyへ   Prologue Larva