翌日、開始時間少し前から人が集まりだし、5分前には全員が集合していた。
チ;ロル:昨日はごめん! 寝落ちです!
サニー:おつおつ、仕事忙しそうねぇ。
ルナ:ログ読んだ?
チ;ロル:読んだ読んだ。どっちも中々熱いねぇ。
サニー:君もこれから仲間入りするんやで。
GM:じゃあ軽くキャラ説明頼んますー。
チ;ロル→ラーヴァ:はーい、ラーヴァは今をときめくアイドルです! いつかは頂点に立ちます!
勿論女性アイドルとして売り出されている。
ルナ:ヒューッ! ちなみに性別は。
ラーヴァ:男です!
サニー:ヒューッ! なんか目的があるんだっけか。
ラーヴァ:その辺は今回キャンペーンで拾ってもらう予定かな。あと【ルーン企業連】のとある会社の【営業】もやってます。
サニー:多忙だね。それ、要は裏の世界に両足突っ込んでるって意味でいい?
ラーヴァ:オッケー。まぁちょっとぐらいこういう側面もあるよね☆ アイドルだし。
ルナ:アイドルへの風評被害ですねぇ……
ラーヴァ:能力は相手の感情を聞き取ること。〈探索技能〉や〈回避〉の強化が出来るよ。それに【エキスパート】もあるから、探索はかなり強めだと思う。
ルナ:正直かなり助かるわー。
サニー:よっ、交渉担当!
ラーヴァ:その代わり戦闘は任せるよー! ボク非力なの!
GM:よーし! ではそんなラーヴァの前日譚行くぞー!
ラーヴァ:いえーい!
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GM:――人には、誰しも何か一つ、周囲を押しのけひと際輝ける本領がある。
【それ】は人によって異なるから、互いに切磋琢磨し合い、人はより輝くことが出来る。まばゆいばかりの美しさを秘めた【彼】、或いは【彼女】にも、当然【それ】があって然るべきだろう。
……これは、そんな美の偶像として持てはやされ、しかしその内には阿修羅もかくやと言わんばかりの雄々しき情炎を燃やす【彼/彼女】が、地の獄の君主(ロード)にならんとする物語、その序章だ。
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―――
―
GM:……君は、笑っていた。正確には笑顔を張り付け、周囲の中年男性どもに愛想をふりまいていたというべきか。
ここは上層の高級ホテルのパーティーホール。本日は【ルーン企業連】に属する企業の重役たちが集い、交流を深める【定例集会】の日だ。ルーンと浅からぬ縁のある君も、スポンサー企業の新たな広告塔として召集され、こうして営業をさせられているというわけだ。隣には頼りにならないマネージャー君もいる。
男性(NPC):「いやはや、噂に違わぬ美麗さ。君がラーヴァちゃんだね? うちの娘がファンなんだ、サインをお願いできるかな」
入れ替わり立ち代わり現れる各社の重役たち、君が対応を始めてもう小一時間にはなるだろうか。
ラーヴァ:「はい! いつも応援ありがとうございます。サインですね! 任せてください」カキカキー
貼り付けた笑顔でサインを描くぞ。まぁこういうのが地位に繋がるのは理解してるので、キチンとするよ。
(はぁ~。だっる。腕疲れたの見てわからないかなぁ……やっぱ上に行けば行くほどこういうのを理解できないからヤだね。ほんと)
マネージャー(NPC):「っす。これからもラーヴァをよろしくお願いします」
適当に頭を下げてそんな重役たちを見送るマネージャー。事務仕事はともかくこういった場ではとことん活躍の出来ない男だ。
ラーヴァ:「よろしくおねがいします」ペコリ
お辞儀しつつ見えないようにジャーマネをかかとで軽く蹴ります。
マネージャー(NPC):「う‘‘っ……お疲れ様っす。これでとりあえず上に言われたリストの方とは一通りお話しできたと思うんで、少し休憩できると思うっすね……これから26分後にマルクス様が登壇され、スピーチをなさるんで、それまで少し外とか出たらいいんじゃないっすかね」
ラーヴァ:「えぇ~30分だけぇ?……ボクまだ碌に食事も取ってないんだけど。まぁいいや、じゃあちょっと休んでくるから。後よろしくね」 はぁ~っと溜息を呑み込んで外に休憩に行くよ。
マネージャー(NPC):「26分っす」なんか言ってたけどすぐに黙って隅の方に行ってしまう。どうやら彼も君と同じかそれ以上に息が詰まっていたようだ。
GM:さて、ラーヴァ。君はどこに行く?
ラーヴァ:風に当たれる場所に行こうかな。こういうところの空調は妙に暑いからね。人の熱気も合わさって。
GM:では君は一つ上の階にあるテラスに顔を出す。時刻は夜。上層でもひと際高い建造物であるこのホテルから見る夜景は、君ほどではないがなかなかに美しい。
ラーヴァ:周りに人は?
GM:今はいない。
ラーヴァ:いない。だったら……
「っはぁ~だっる。顔変になってないかな。ちょっと眉がピリピリするぅ」
顔をマッサージしつつテラスの柵にもたれ掛かるよ。ちなみに景色には背を向けてる。あんま興味ない。
GM:と、そんな君の背後で扉が開く音がする。どうやらだれか入ってきたようだ。
ラーヴァ:手慣れた様子でスッと姿勢を正すよ。風に当たる美少女を演出だ。
???(NPC):「……おや、君はもしや、【スノウホワイト】の【ロード】君かね?」
GM:見た目は冴えない初老の男性だが、その言葉を聞き君は瞬時に理解するだろう。君の裏の名を知るパーティの出席者……本当の意味での【同業者】である。
ラーヴァ:「……その通りですが、なにか?」少し機嫌悪そうに返事をします。
???(NPC):「おっと、これは失礼。私は【ハガル・カンパニー】会長の【ドルイド・ディアス】だ。よろしく頼むよ」
GM:そういって、初老の男性は握手を求めてくる。……【ハガル・カンパニー】。
君はその名に聞き覚えがある。ロボット、アンドロイド用の兵装を開発している企業で、あの【エイワズカンパニー】に次ぐロボット・アンドロイド産業第二位の超大手企業だ。
【エイワズカンパニー】は上層世界観紹介部分に出てくる会社名。
ラーヴァ:「へぇ。そんなお偉い人がボクに挨拶ですか。よろしくおねがいします」
まぁ握手は返す。一応礼儀だからね。
GM:「ふふ、驚かせてしまってすまないね。君のスポンサーである【アイリス】さんとは懇意にさせてもらっているからね。彼女自慢の【営業】さんとは一度逢ってみたかったのだよ」
ドルイドは柔らかな笑みを浮かべながら君の方を見る。
サニー:【アイリス】ってのがラーヴァの雇い主だっけ?
ラーヴァ:そうねー、【ルーン企業連】の一社【ブランシュネージュ製薬】ってオリジナルの会社の社長さん。ラーヴァはそこに雇われて裏社会の【営業】をしてる感じ。
ルナ:ってことはガチ同業同士かぁ……場所が場所だから荒事にはならないだろうけど……
ラーヴァ:向こうの出方をまずは見ますね。
GM:では、ドルイドはこう続ける。
ドルイド(NPC):「ああ、そうそう。営業と言えば……実は丁度うちも【営業】を連れてきていてね。折角の機会だし、併せて挨拶させてもらっても構わないだろうか?」
ラーヴァ:「えぇ。構いませんよ」ニッコリ。
ドルイド(NPC):「ありがとう。それじゃ───入っておいで、【カレン】」
GM:彼の声を受け、扉から一人の女性が入ってくる。それはまさしく絶世というべき容姿だが、同時に氷のような冷たさを感じさせるきつい顔立ちをした女だった。
白いドレスを着た彼女はつかつかと君に歩み寄ると、すっと手を差し出し、握手を求めてくる。その様子をドルイドはにこにこと眺めている。
カレン(NPC):「……初めまして、ラーヴァさん。【カレン・アンダルシア】です。どうぞよろしく」
ラーヴァ:「こちらこそ。ラーヴァ・ロードって言います。どうぞよろしくおねがいしますね☆」
キャピッとポーズをして握手は拒否。
カレン(NPC):「……カレン・アンダルシアです。どうぞよろしく」
カレンは先ほどの姿のまま微動だにせず、君をじっと見つめている。
ラーヴァ:(っち)と内心舌打ちをして、しょうがないので握手しますね。早く終わらせて残りの休憩を謳歌してぇんだよなぁ。
カレン(NPC):「ありがとう、握手という概念がある文化圏の方だったようでまずは安心したわ」
軽く握手をしたのちすっと手を引き、その手を腰に当てながら君を見下ろすカレン。身長差は優に20センチはあるだろうか。
ラーヴァ:「それはどうも。そんなことを言って貰えるなんて光栄ですね」 堅物がって思ってます。
ドルイド(NPC):「ははは、仲良くなれそうで何よりだ……っと、失礼。電話だ、少し席を外すよ」
GM:そういって、ドルイドがテラスを後にする。残されたカレンは、しばしの間、君をじっと見つめ……こんなことを口にする。
カレン(NPC):「……それにしても、少しだけ驚いたわ。あなた、【ルヴィ・ロードの弟】だったのね」
GM:――君はその名を当然知っている。それは、幼き君の憧れであり……芸能界の闇に呑まれ全てを喪った、最愛の姉だ。
ラーヴァ:「へぇ? その名前覚えてたんですか。てっきり道端に落ちている小石程度にしか認識してないものだと思ってましたよぉ。姉もよろこんでます☆」
カレン(NPC):「まあ、今の芸能界で彼女の名前を出すことはタブー視されているからね……それにしても、残念だったわ。せっかく私の引き立て役としての可能性を見出してあげたのに、私に歯向かうんだもの……耐えてくれたらそれはそれで潰しがいがあったんだけれど、思ったよりもなまっちょろくて、すぐに壊れてしまったのは残念だったわ、本当に」
ラーヴァ:「それはそれは……姉も悲しんでます☆」 怒りゲージ順調に貯まってますねコレ。
カレン(NPC):「悲しむことなんてできないでしょう? 完全に精神を喪失し、植物人間状態なんでしょ?【あなたからロードした情報にそう載っていた】わ」
GM:君はその言葉で気づいていい。【いつの間にか先ほど君がカレンと握手した右の手の平から君の肩を伝わり首にかけて、一筋の黒い【鎖】のような痣が浮かび上がっていること】に。
ラーヴァ:ちなみにそれはどうにかできそう?
GM:出来ない、と君は確信していい。何故なら横の硝子に映った君の右手には鎖の痣は影も形もないのだから。……恐らくは、何らかの能力なのだろう。
ラーヴァ:「なるほど……人の中を除くなんて趣味悪いですね。きゃー、恥ずかしい」
怒りが増すにつれてキャピ度が上昇してます。
サニー:PL視点分かりやすいなぁ……
ルナ:普通に見るとアイドルだから自然なんだよなぁ……
カレン(NPC):「ああ、鎖のことなら気にしないでもいいわ。私の【圧政の女帝(ロード・エンプレス)】はあなたに害を及ぼす力ではないから。ただ、触れている間にあなたの情報が流れてくるだけ、ただそれだけよ
……ただ、もしあなたがエスパーだったら少し悪いことをしたかもしれないわね。私の力で縛られたエスパーは、【私に対して全ての能力を行使出来なくなってしまう】から」
ラーヴァ:「なるほどぉ!それは大変ですね☆」
焦った様子は見せないし、実際焦ってないまであるかな。少なくともコイツに弱み的なものを見せるのはまずい。
カレン(NPC):「別に大変なことなんて何もないでしょう? ただあなたは今後私に一生勝てなくなっただけよ……そう、別に大したことなんてないわ。人には格というものがあって、それぞれが己の格に応じた席に座る。この力があろうとなかろうと、あなたは私に勝てる格ではないのだから、別段焦る必要も、恐れる必要もないわ。
……【自分のような存在が頂点に立ち、姉を奪った芸能界を一蹴してやる】……だったっけ? それが出来なくなるのは少しだけ辛いのかもしれないけど、それこそ、あなたの格じゃ端から無理な目標だったということでしょう」
ラーヴァ:「わわっ、そこまで見られちゃったんですか!? それはそれは……」
カレン(NPC):「ああ、さっきから遠慮なしに話してしまってごめんなさいね。
私好きなのよ、エスパーの方と喋るのが。彼らって、人を操る術に長けているからなのか、やたらと増長して高慢になっている人間が多いから、彼らを一方的に有利な立場から貶めるととてもいい反応をするのよね。それがとてもおかしくってついつい虐めてしまうの」
ラーヴァ:「わぁー。すっごい良い趣味。尊敬しちゃうなぁ☆」
…………「そこまで行けばまさに頂点、ですね!」
カレン(NPC):「……うん。素敵だわ、その態度。いつまで持つのかしら。堪え切れなくなった時、どんな表情で泣くのかしら。それとも怒るのかしら。考えただけで胎が熱く煮え滾りそうよ」
GM:そういってカレンは、ずいと君に顔を寄せてくる。
ラーヴァ:笑顔笑顔。
カレン(NPC):「……ラーヴァさん、私、あなたのことがとても好きになってしまったみたい。これからあなたはお姉さんのようにとてもつらい目に逢うから、覚えておいてね。お姉さんみたいにすぐに壊れちゃだめよ? 頑張れば頑張っただけ、壊れたときの反応が面白いのだから」
GM:カレンは底の見えぬ漆黒の瞳で、君の目を覗き込んでくる。……君は、そんな彼女に不快感を覚えても良いし、憤怒してもいい。それくらいの自由はまだ与えられている。
ラーヴァ:じゃあスッと横に抜けて出口に向かっていきたいんだけど行けるかな?
GM:いけるよ!
ラーヴァ:じゃあする!
ルナ:こいつさぁ……
サニー:胆力の化物、男前よなぁ。
ラーヴァ:「あ、そろそろボクの休憩終わっちゃうんで戻りますね!」
カレン(NPC):「ええ……また会いましょうラーヴァさん」
GM:彼女は凛とした佇まいのまま、目だけで君を追って見送ってくれる。
ラーヴァ:じゃあラウンジから出て行って……ああっとって感じで入り口から顔だけ出す。
GM:カレンはずっと立ち尽くし、君を見ている。
ラーヴァ:「あっそうだ。ボク、カレンさんのすること楽しみにしてますから、カレンさんも世代交代の準備しておいてくださいね! ボクぅ、熟れた果実は捨てる派なので☆」
GM:「ええ、待っているわ」 カレンは君の目を見て応える。
ラーヴァ:「ではでは☆」敬礼しながらそう言って、ジャーマネのところに戻るかな。
GM:――いや、少しだけ待って欲しい。何故なら君がテラスを出た直後。背後から聞こえてくる男性の声があるからだ。それはこう言っていた……
ドルイド(NPC):「アイリスさんに、くれぐれもよろしく頼むよ、ラーヴァ・ロード君」
GM:振り向くまでもなく君は気づくだろう。声が聞こえた瞬間、老人の姿は消えていたのだろうと……無論、君には何ら関係のない話ではあるが。
ラーヴァ:ふーん、そのまま戻りまーす。
(やっと近づけた。……まぁ少し不利な状況になったのは誤算だったけど、それでも奴を視野にいれることが出来た。殺す。殺す。……絶対に。なんとしてでも、姉を貶めた奴らを……。
キャハッ、楽しみ)
GM:……おめでとう、遂に君は辿り着いたのだ。数多の骸が積み上げられた、地の獄の頂の麓まで。
立ちはだかるは愛し同胞の仇、極寒の女帝。君主を目指す君にとっては、避けては通れぬ障害だろう。
さて、ここまでが君の物語の序章。
君の物語が本筋に入り、二つの線と交わり出すのはこれより半月後。レッスンに向かう道の曲がり角に書いてあった【とあるメッセージ】を目にしてからだ。
ラーヴァ:これはハガルまるごと潰す必要があるか……
ルナ:会社ひとつでござるか……しかも大企業なんですけど。
サニー:このキャンペーンだと普通にやりそうなんよなぁ。
ルナ:それなぁ。
ラーヴァ:これはやる気出てきますね!
GM:やる気出たなら何より! じゃあいよいよ全体導入いくぞー!
PLs:ハイ!
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